被相続人が賃貸物件のオーナーだったとき 日南・串間でご相談なら行政書士おおひら事務所
被相続人が賃貸物件のオーナーだったとき、どのようなことに気を付けなければいけないでしょうか。
この賃貸物件を相続で取得する方は、賃貸人の地位も承継します。敷金返還債務も承継します。
赤字物件かどうか
まず、この賃貸物件は赤字かどうかを確認しましょう。
賃貸物件はマンション、アパート、戸建、駐車場、倉庫、貸地などなど幅が広いです。
その賃貸物件が赤字であったら、相続人の負担になってしまいます。
儲かってなかったら賃料をあげればいいじゃないかと思うかもしれませんが、一度家賃を落とすと賃料をあげるのは難しいです。
(エアコンなどの設備を増やしたなどがあれば別ですが)
さらに赤字の賃貸物件は売却しにくいのです。
それらの状況を確認して、相続するかどうか考慮しましょう。
また、不動産管理業者に賃料集金も含めた管理を委託している場合もあると思います。
その管理もどの範囲で委託しているか、管理料、一括借上げ(サブリース)などなど確認する必要があります。
さらに、赤字物件のため相続人全員が相続放棄する場合は、相続する人がいなくなってしまうので、家庭裁判所に相続財産管理人の選任申立をして、
相続財産管理人によって管理しなければならなくなります。
賃借人への連絡
オーナー変更は賃料の支払先が変わる可能性もあります。
そのため賃借人(借りている人)へオーナー変更の連絡をします。
法的には前オーナーと交わした契約は新オーナーとも有効ですが、新しい賃貸借契約書を書き換えることほうがお互いよいでしょう。
いい不動産管理業者にお願いする
この部分は、行政書士としてではなく、元不動産営業として書いてみます。
賃貸オーナーであれば、関係業者と関わることが多くなります。
@不動産管理業
A賃貸仲介業者
B修繕などの業者
主な業者だけでも上記です。
特に@不動産管理業との関わりが、直接的に運用を左右すると思います。
@不動産管理業はカギを預かって、仲介業者の問い合わせや案内の対応をしたり、
入居希望者の確認をしたり、家賃の集金や入退去時の確認、修繕が必要なものを提案したりなどをします。
どこまでお願いするかはオーナーとの契約になると思いますが、毎月の管理料を入居者の家賃の〇%とかで契約します。
空室に入居希望があったときは、A賃貸仲介業者・B修繕などの業者 が関わってきます。
A賃貸仲介業者は、入居希望者をいろんな賃貸物件に案内して、契約するのが仕事です。
B修繕などの業者は賃貸物件の修繕が必要なときに依頼されて修繕等をします。
要するに、A賃貸仲介業者B修繕などの業者を取り次ぐのが@不動産管理業で、
うまく取り次いで空室を防いだり、入居者が満足する修繕対応をしたり、もしものときも対応してくれる
そういったことをよくしてくれる@不動産管理業に管理をお願いするべきだと考えます。
そのためには、なるべく賃貸物件に近く、入居者動向に明るい不動産管理業にお願いしましょう。
逆に、目先の管理料や家賃保証ばかりを考えると、結果、何か月分もの広告料を請求されたり、フリーレントを要求されたり、
家賃をどんどん下げられてしまうなんてこともさもありなんです。
管理業にとって、管理物件が多いことは商品が多いということにつながるので、甘い言葉も多いかもしれませんが、
カモにされないように気をつけましょう。
自分にとっていいかどうか
「オーナーになる」ということは、権利だけでなく義務もあり、入居者が出たり入ったりで考えることも多くなるということを踏まえて、相続するかどうか考えましょう。
また、満室の賃貸物件で自分はオーナーにはなりたくないのであれば、売るという選択肢もあるかと思います。
このときに物件により、売って相続したほうがいいのか、相続して売ったほうがいいのか、相続税も絡むので、事前に確認したほうがいいと考えます。
〇被相続人が賃貸物件の借主だったとき
は別で書こうと思います。